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Yukiharu YABUKI の tDiary



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2009-07-18 [長年日記]

_ [] すぐれた意思決定 -- 判断と選択の心理学 --

残念なことに、この本は既に絶版である。すぐれた意思決定―判断と選択の心理学(印南 一路)  Amazon では、えらく高騰しているようだし、図書館で予約を入れて読んだ。

意思決定の方法への学術的なアプローチで、他の本とはテイストが違う。意思決定の方法やそれらの得失点、人間の心理や、集団の心理についてもカバーしている。

私にとって決定モデル

  • 補償的
    • 線形モデル
    • 加算差モデル
    • 理想点モデル
  • 無補償的
    • 個別足切りモデル
    • 辞書編集モデル
    • 消去モデル
の話や、集団的意思決定の病理現象
  • 社会的手抜き
  • 同調圧力
  • 少数影響力
  • 集団極化現象 -- 集団としてより過激な結論が導かれる
  • 過度忖度 -- 相手の気持ちを推し量りすぎて、誰も望んでいない結論に導く
  • 病理的集団思考 -- The Best and the Brightest がこの例をよく描き出している。
と、その結論のなかで提案されている。ノイズ情報と意味ある情報の分別については一考の余地がある。ただしITに対して楽観的な見方もあるが、この部分については今の時代に合わせて自分で考える必要があるだろう。

この本を読むことで意識してなかった考え方のバイアスが明らかになれば、よい意思決定に近づくことができるだろう。診断論的意思決定のレジュメとして

  1. 目的を明確にする
    • スピード
    • 受容度
  2. エラーソースを知る
    • 情報収集
    • 確率判断
    • 予測
    • 推論
    • グループ圧力
  3. メタ判断を開発し、適切なプロセスを踏む
が述べられてある。これらを常に実行できるかはわからないが。また折を見て読みたいと思わせる本である。いまなら売れると思うんだけどなあ。勉強ブームだし。