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Yukiharu YABUKI の tDiary



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2008-08-17 [長年日記]

_ memo:本の返品4割 ムダ減らせ 小学館、同一書籍で併用制 販売方法は店が選択

本の返品4割 ムダ減らせ 小学館、同一書籍で併用制 販売方法は店が選択(http://sankei.jp.msn.com/culture/academic/080817/acd0808170917006-n1.htm) どのぐらい広まるのか、現場の知人たちに意見を聞いてみるか。

_ [] シンプリシティの法則

この本は、この件に関して興味を持っているであろう kiyoka さんへ勧めたい。シンプリシティの法則(ジョン マエダ/John Maeda/鬼澤 忍)

実際の世界は複雑で込み入っている。全てを見渡す事などできはしない。だからこそというべきか、ヒトは単純なモノに憧れる。Design をやっている人達だけでなく、プログラマーや、システムアーキテクトを生業とする人々の中、研究者方からですら、でもシンプルなモノが美しいという言葉を聞く。

この本は、そのシンプルについて語られている本である。10の法則と3つ鍵を提唱している。

  • 10の法則
    1. 削減 --- シンプリシティを実現する尤もシンプルな方法は、考え抜かれた削減を通じて手に入る。
    2. 組織化 --- 組織化は、システムを構成する多くの要素を少なく見せる。
    3. 時間 --- 時間を節約することでシンプリシティを感じられる
    4. 学習 --- 知識はすべてをシンプルにする。
    5. 相違 --- シンプリシティとコンプレクシティは互いを必要とする。
    6. コンテクスト --- シンプリシティの周辺にあるものは、決して周辺的ではない。
    7. 感情 --- 感情は乏しいより豊かな方がいい。
    8. 信頼 --- 私たちはシンプリシティを信じる。
    9. 失敗 --- 決してシンプルにできないこともある。
    10. 1 --- シンプリシティは、明白なものを取り除き、有意義なものを加えることにかかわる

    3つの鍵

    1. アウェイ --- 遠く引き離すだけで、多いものが少なく見える。
    2. オープン --- オープンにすればコンプレクシティはシンプルになる。
    3. パワー --- 使うものは少なく、得るものは多く。

    という中身でわかる部分もあれば、もちろん本文を読まないとわからない部分もある。あと著者についても、気になる人がいると思うので書いておくと、もともと著者ジョン・マエダ氏はシステム屋さんで、いまはデザインをやっています。氏は、MITで働き、MITの教授に師事していたようです。

    私が、この本でいくつか、メモとして残しているのは、携帯電話が、2つ折のシェル型になったり、スライド式になっているのは、デザイン的には進化しており、見た目の複雑さを覆い隠すからなのだ。という下りで、そんな風に思った事がなくて、ストレート型の携帯が減って来ているのは、そういう理由づけもあるのか。と自分の世界では、そうらしいという傾向は見えていても、それらしい説明に出会わなかったときのモヤモヤ感がすっきりとしました。*1

    最後に著者自身が、まだ simplicity の法則を学んでいる途中だと書いており本のフォローアップとして、http://lawsofsimplicity.com(英文)が用意されている。

    *1 とは、言えこれが本当に正しいかどうかは、別の所から裏を取る必要があると思います。

    _ 読了

    大学は「プロジェクト」でこんなに変わる―アカデミック・アドミニストレーターの作法(WISDOM@早稲田) を神戸の実家へ戻る途中で読了。大学はプロジェクトでこんなに変わるこの本は、会社だと業務命令である程度強制できますが、大学のように自治や合意構成のプライオリティが高く強制できない風土の集まりでどのようにプロジェクトを進めて行ったかというのを振り返ってノウハウが書いてある本です。