09:00:47 # Life manページとエンコーディング. Debian日本語のmanページはEUC-JPエンコーディングでファイルシステム上の/usr/share/man/ja/manX/XXX.X.gzに保存されている. 現在のlocale が UTF-8 などであっても,EUC-JPで保持しているデータを iconv で処理して UTF-8 にして表示している. その処理は man-db というプログラムが実施している.
UTF-8 で man ページを提供する方法もある./usr/share/man/ja_JP.UTF-8/などにおいておくと, locale が ja_JP.UTF-8の場合にはそこからファイルを見付けてくれる. man-db は ja_JP.UTF-8, ja_JP, ja の順番に検索してくれる. ただ, ja_JP.EUC-JP の場合には,/usr/share/man/ja_JP.UTF-8/はみてくれず, /usr/share/man/ja/ に EUC-JP の man ページをおいておく必要がある. これは,文字コード変換することが不可能なドキュメントのために例外的に設けてある機構で, たとえば,ユーロ通貨記号がEURに変換されてしまうことで,roffのコマンドになってしまうからうまくレンダリングされない, などといった事情を想定している.
Debianの現状としては日本語のmanページはEUC-JPで/usr/share/man/ja/以下に配置する,というのが正しい解. しかしながら,Fedora Core などでは, UTF-8 で manページのデータをおきはじめており,EUC-JPのものを見付けたら, レガシーだという警告を出すようにするらしい. これを見てupstreamの開発者が make install でインストールできる manページをUTF-8にしはじめるかもしれない(cf. netbsd). docbook-xslなどでmanページを生成する場合なども,utf-8がツールとの親和性が高く,また各言語を平等に扱う場合には utf-8のほうが扱いやすいため,今後 utf-8 から EUC-JP(を含む各国語のlegacy encoding)に変換する部分の処理が発生し 面倒になる可能性はある.今後の動向を見据えて,ファイルシステム上にmanpageをutf-8でインストールするサポートの追加は慎重に検討したほうがよいだろう.
以上,debian-users@jpとblogとIRC(#debian-devel@oftc)で議論した結果のメモです. この調査は小林さんにきっかけをいただき,GyrosGeier, 武藤さんと議論しました.
09:23:10 # Life DebconfでのKeysigning party. Mexicoで開催するkeysigningの鍵の〆切は5/6です.ご注意を. いそいそとgpg keyを準備してみました.
21:17:06 # Life Linuxカーネルの自己修正コード. Linuxのpowerpc版カーネルは, 自己書き換えを行って,各モデル用の命令を発行しています (Documentation/powerpc/cpu_features.txt参照). これは,powerpcのCPUが多数の種類がありますが, カーネルの種類をたくさん準備しなくて済むようにするには必要な仕組みです. でもこんな変態みたいなことはあまりしないだろうなぁ,と思っていたら, alternativeマクロと自己修正コード を読むと,i386でもやっているらしいですね. mfence/lfence/sfence などのメモリバリア命令が拡張されたのが最近で, この部分はなかなか分岐では実装できないから,ということですか(include/asm-i386/system.h参照).
11:03:26 # Life linux counter. 一年に一回登録をアップデートして統計情報を出してくれるサイト. 久しぶりに ディストリビューションの分布をみたら, Debianのシェアが20%で一位になってました. おもしろいですね.
08:45:07 # Life やまねさんがメンテナンスするということで,eclipse-nlsをアップロード. いろいろとパッケージの名前を変更したとのことなので,ftp-masterの手動操作が必要. 100MBのデータがアーカイブに追加されてしまうことになるので,つっこみは必至.
10:21:00 # Life 東京エリアDebian勉強会報告. 4月の第15回Debian勉強会を実施しました. 今回は岩松さんがdebian-policyのソースの管理の部分について解説しました. その後上川が日本語 TeX の Debian においての現状について調査報告しました. 今回の参加人数は15人でした.
今回の会計
(+ ;;資料コピー15人分 -2799 ;;DWNクイズ景品代 -200 ;;会場代 -1500 ;;勉強会費 +7500 ;;宴会補填 -2850 ) 151 の黒字
08:24:51 # Life 日本語docbookをPDFにするための現状. 覚書メモです. 昨日,大和さんとgnomeの佐藤暁さんと日本語のDocBookをPDFにするための方法ってどうなのですか,という話しをしました. きれいなフォーマッティングでPDFにするにはどうしたらよいか,という観点から考えると platex経由でフォーマッティングするのが個人的にはよいのではないかと思っているのですが, どうなんでしょうか. FOP経由では処理可能ですが,見ためがもうちょっと頑張らないといけませんね. cairoで頑張ればなんとかできるのではないか,という話題も出ました. また,openofficeでdocbookのドキュメントをロードさせて印刷すればよい,という荒技も可能なんですね. 決して現状の日本語DocBookの処理環境に満足しているわけではないので, もうちょっと頑張れば良い感じの環境が出来るのではないでしょうか.
01:52:08 # Life YLUGカーネル読書会無事終了. Debian kernel team, HP Open Source and Linux Labs の Dann Frazierの発表で, Debianのカーネルのメンテナンスについての議論をしました. 70人くらい集まったのではないでしょうか,立見も出る大盛況で,議論も盛り上がりました. カーネルのメンテナンスに関して,Debianのunstable/testing/stableのモデルや, セキュリティーの提供の仕組みに関して,どういう取り組みをしているのか,という点が興味をそそったようです. なぜ,svnを使っているのか,と聞かれて,当時はBitkeeperを使わないのであればこれしかなかったんだ,という消極的な理由だったのも素敵です. 現在まで利用しているのは,svnのhook機能をワークフローの一部として活用しているので, 他のシステムへの移行が難しかったというのが現実的な理由でしょう. 通訳無しの予定だったのですが,ぶっつけ本番,上川超訳で御提供しました. 途中意識がとんでいたので何度か聞き直したのは内緒です.
09:11:14 # Life kosherとはユダヤ教の食事制限. Debian Conferenceのような規模の国際会議をする場合, いろいろな宗教の食事制限がひっかかります. 特に,この肉がダメ,とかではなく調理方法に注文がつく場合に, 開催者側にこういう調理方法をするようにホテルに注文してくれ,と言われる場合は開催者側として対応が難しいところです.
10:39:03 # Life Debian sudo の挙動がかわっています. CVE-2005-4158で,環境変数をリセットしないから,perlのコードを実行するときにユーザはどんなコードでも実行できてしまう,という 脆弱性があったため,あらゆるアプリケーションにおいて,不要とみなされた環境変数をリセットさせてしまう,という挙動が4月2日版でデフォルトになったようです. そうするとsudoの挙動に依存していたアプリケーションはいろいろと動かなくなるわけで.困りましたね. pbuilderもやられています.361362
00:00:18 # Life 次回のYLUGカーネル読書会の御題はDebianでのLinuxカーネルメンテナンスについて。 Dann Frazierに最近のDebianカーネルチームで共同メンテナンスをしている内容についての話をしてもらいます。 4月11日開催です。 登録は宴会君、宴会コード kernel060411 で。 詳細はYLUGページを参照。
19:53:11 # Life 今月もTeXで資料を作成しようとしてみた. ptex-binからiniptexが気づいたら無くなっていて,whizzytexが動かなくなっていた. 毎月何かが壊れてますな. とりあえず報告.361381 whizzytex側でworkaroundするとすれば,iniptexを呼ぶ代わりにplatex -ini を実行すること.whizzytexパッケージのドキュメントではアップデートしておきました.
INITEX="platex -ini" LATEX=platex FORMAT=platex BIBTEX=jbibtex FMT=fmt
10:41:15 # Life Debianの特徴として, New Maintainer Processがある. 期間が長いという問題はあるが, どういうトレーニングをして,どういう議論を経ればDebianの開発者として受け付けられるのか ということが明確になっている. 新しいメンテナになるためには数々の試練をのりこえ,一年近くの時間をかける場合も多い. 一年くらいのNMキューの時間を温厚に乗り越えられないようであれば数年間のリリースサイクルでリリースされるDebianのメンテナンスなんかできないだろう,といっちゃえばそれまでだ. しかし,新しく参加できた人達のよろこびのことばは素敵だ.
$Id: 200604.html.ja,v 1.24 2006/04/26 00:32:22 dancer Exp $