~~socialite~~ ====== 百葉箱(Solar Radiation Shield)を自作してみる。 ====== {{:make_diy:ncm_0043.jpg?400|}} ====== Background ====== 温度センサーや湿度センサーを使った「デジタル百葉箱」を作りたいと思った時、一番の問題は百葉箱自身の価格です。 きちんとした百葉箱は、安くても3万円は超えますし、10万円台も多いです。 百葉箱を自作されている方もいますし、私も温度センサーや湿度センサーを入れるための百葉箱をなるべく安く作ってみようと思います。 ====== Concept ====== * なるべく安く作る。 * 温度センサーや湿度センサーが入ればよいので、そんなに大きなもので無くて良い。 百葉箱を作る上で欠かせないのは、「鎧戸」と呼ばれるものです。これは、風通しをよくし、雨風を防ぐために重要です。 ====== 鎧戸をどうやって作るか ====== ラガワン先生に教えて頂いたのですが、http://www.weather-watch.com/smf/index.php?topic=23736.0 に、radiation shield を自作されている方の記事があります。この方は、トレイを裏返しにして重ねることで鎧戸を構成しているようです。 これを参考にすると、うまく作れそうです。 ====== 部材の調達 ====== 部材を購入してきました。部材は全てコーナンで買いました。 {{:make_diy:ncm_0023.jpg?400|}} - M4 の長ネジ:6本 - M4 のステンワッシャー:1個 - トラスコネジ:4個 - M4 x 1.5cm スペーサー:10個入りを3個 - M4 の六角ナット:30個 - ジョイント金具:大を2個、小を2個 - 鉢皿F型6号 ホワイト:10枚 - 他小部品 いくつか予備も購入しました。値段は全部で3300円ほどです。 ====== 鎧戸のアイデア ====== 鎧戸を作るために、私は**プランターの鉢皿をひっくり返して重ねて作る方式**にしました。 購入したプランターの鉢皿は、アップルウェアー(株) の鉢皿F型6号ホワイトです。1枚78円で、10枚買っても780円ですので高くありません。プラスチック製ですから加工も容易です。購入時点で白色ですから白色塗装も不要です。 {{:make_diy:ncm_0025.jpg?400|}} ====== Solar Radiation Shield の制作 ====== ===== 鉢皿のふちを削る(と言うか切る) ===== 鉢皿には、すべてふちがついていますので、これを削ります。そうしないと、裏返して重ねると、雨がそのふちに溜まるからです。 私は金切り鋏で、ふちを切ることにしました。 {{:make_diy:ncm_0031.jpg?400|}} 金切り鋏はストレートタイプなので、円形を切るには適さないのですが、多少歪な形ながらも、ふちを全部切ることができました。 {{:make_diy:ncm_0032.jpg?400|}} ===== 中をくり抜く ===== ふちを全部切ったら、次は中を全部くり抜きます。 {{:make_diy:ncm_0033.jpg?400|}} くり抜くには、ハンドドリルやリーマなどで中に穴を開けて、金切り鋏で中をくり抜いて行きました。 やっぱり円形鋏が欲しいところです。 {{:make_diy:ncm_0034.jpg?400|}} 10枚の鉢皿のうち、7枚をくり抜きました。 残り3枚は、1枚は下の土台として使い、2枚は上に屋根として重ねますのでくり抜きません。 ===== 重ね合わせのためのネジ穴調整 ===== ハンドドリルで各皿に3箇所穴をあけます。一番上の屋根に当たる部分は、U字金具を取り付けます。これは柱に取り付けるためです。 U字金具とL字ステーを合わせながら、穴開け位置を探ります。 {{:make_diy:ncm_0036.jpg?400|}} ===== センサー基板の取り付け方法 ===== 穴開け位置を探る他に、温度センサーや湿度センサーがついたセンサー基板の取り付け位置も調整しなければなりません。 私が持っているセンサー基板は、I2C とシリアルで本機に情報を送ります。そのために専用の通信コネクタがあるので、基板を縦置きに固定して、通信コネクタを下に垂らす様な感じにしました。 センサー基板を縦に取り付けるためにL字ステーをつけています。 {{:make_diy:ncm_0037.jpg?400|}} 土台には通信ケーブルを通す穴を開けます。 {{:make_diy:ncm_0038.jpg?400|}} この様な事を試行しながら、長ネジを通す位置を決めて、ハンドドリルで穴をあけます。 ここまで出来たら、完成までもう少しです。 ===== 組み立てる(重ね合わせる) ===== 加工した鉢皿を重ねあわせます。 長ネジの先にナットとワッシャーを取り付け、下から順に重ねあわせていきます。 また同時に、センサー基板も取り付けます。 {{:make_diy:ncm_0039.jpg?400|}} {{:make_diy:ncm_00401.jpg?400|}} 屋根まで重ねたら、L字金具とU字金具も取り付けます。 ====== 完成! ====== 完成です。私がソフトを開発している "ENVLogger" は、GPSロガー機能も持っていますので、この箱にGPSアンテナも取り付けられるように、鉄テープを張ります。GPSアンテナはマグネット付きなので、屋根の上にマグネットで固定できます。 {{:make_diy:ncm_0043.jpg?400|}} ====== 試験運用 ====== 実際にベランダにとりつけてみます。 {{:make_diy:ncm_0049.jpg?400|}} いい感じで取り付けできています。 ====== 雑感 ====== この製作時間は、おおよそ3時間です。半日程度で完成しました。 何分この様な工作は苦手でして、うまく加工できず見た目があまり良くないのが恥ずかしいところですが、参考になればと思います。 作って試験運用を初めてまだ1日も経っていませんので、今後また改良を加えるとおもいます。 ====== 作る以外にも... ====== Solar Radiation Shield は、Amazon.com から購入できます。これもラガワン先生から教えて頂きました。 * [[http://www.amazon.com/Davis-Instruments-Solar-Radiation-Shielding/dp/B000WXKNM0/ref=sr_1_1?s=home-garden&ie=UTF8&qid=1349669419&sr=1-1&keywords=Davis+Instruments+7714+Radiation+Shield|Davis Instruments Solar Radiation Shielding 7714]] * [[http://www.amazon.com/Ambient-Weather-SRS100LX-Temperature-Radiation/dp/B003EB3GE4/ref=sr_1_6?s=home-garden&ie=UTF8&qid=1337750550&sr=1-6|Ambient Weather SRS100LX Temperature and Humidity Solar Radiation Shield]] SRS100LX は安いのですが、日本への発送はできないようです。 7714は日本への発送ができるようです。でも、発送費用だけで200ドルほどかかります。 実は私は、Solar Radiation Shield を自作する前に 7714 を購入しました(まだ届いていません)。7714 が届いたら、製品のものとDIYのもので何がどう違うか、比べてみたいと考えています。 ====== 謝辞 ====== Solar Radiation Shield を教えて頂いた大阪市立大学 ラガワン先生に感謝です。ラガワン先生からのお知らせがなければ、これを作ることはできませんでした。 ---- 2012-10-8 : 記載 (この記録は https://tosihisa.wordpress.com/ に記載していたものを移動しました)