2005年10月28日 (金曜日)

11:56:39 # Life Japan Debian Mini Conf初日. 平日の昼間ながらも会場に結構人が来ています. Martin Michlmyrがリリース主法についての演説をしています. 期限ベースでリリースをするということがフリーソフトウェアにはよいのではないか,という提言です.

12:14:33 # Life latex-beamerでプレゼンを作成してみた. 先日からlatex-beamerをそれなりに使い込んでみている. そもそもがlatexなので,いろいろとマクロとかが組めるので便利. xdviで表示させようとすると,gsのエラーが出ており, なんとなく何かが表示できていないみたい. pgfの表示関連だからできないのはよいとして,この挙動は正常なのか,というのは疑問.

gs: Error: /undefined in pgfo
gs: Operand stack:
gs: 
gs: Execution stack:
gs:    %interp_exit   .runexec2   --nostringval--   --nostringval--   --nostringval--
gs:    2   %stopped_push   --nostringval--   --nostringval--   --nostringval--   fals
gs: e   1   %stopped_push   1   3   %oparray_pop   1   3   %oparray_pop   1   3   %op
gs: array_pop   1   3   %oparray_pop   .runexec2   --nostringval--   --nostringval-- 
gs:   --nostringval--   2   %stopped_push   --nostringval--   --nostringval--   %loop
gs: _continue   --nostringval--   --nostringval--   --nostringval--   false   1   %st
gs: opped_push   1   3   %oparray_pop   --nostringval--   --nostringval--   false   1
gs:    %stopped_push   --nostringval--
gs: Dictionary stack:
gs:    --dict:1123/1686(ro)(G)--   --dict:0/20(G)--   --dict:96/200(L)--   --dict:22/
gs: 250(L)--
gs: Current allocation mode is local
	

15:05:26 # Life gotomさんのmultiarchの話. 64bitになると,メモリ空間は大きくなる. amd64はレジスタの数が増える. ただ,問題としては,ビット幅が増えるので性能がさがるばあいが多い. バイナリのサイズが大きくなることが多い. また,基本的には32と64 bitは共存できない. 32/64ビットのライブラリは同じメモリ空間にマップできない. プロセス空間が別で動作できるが,プロセス間の共有には問題あり.

16:47:23 # Life 鵜飼さんの語るDebianのミラーアーキテクチャー. パッケージがいかにユーザまで到達するか.

17:06:46 # Life gniibeさんの語る. emacsつくった,コンパイラつくった. ないものを全部つくりあげた. それこそがフリーソフトウェア. 無いものを全てそろえたのはlinux. そこまでの部分はGNU.「無いなら作る」. 現在開発されているソフトウェアは実は半分くらいがフリーソフトウェアだったという論文も出ている.それくらいの存在になっている. 最初をしたのはたった一人で,最後のピースを埋めたのも一人. 必要な物はだいたいそろっている. 今何が必要だろうか. 昔はFSFはGNUの推進をしていた.一時期10数名の開発者を雇っていた. 現在だれも開発者は雇っていない. GPLを擁護するとか,GPLv3の議論をするための人. 日本の,FSIJもそういう面がある. もう一つは無いなら作る,というのから あるものを良くする,あるものを組み合わせてつくりあげる,というものが 増えて来ている. 2000年くらいまではソースコードの活動がフリーソフトウェアの中心. Debianの活動ってなにだ? ソースコードの活動をあまりしていなくて,バリナリの結果を利用しているものなどが多い. 様相がかわって来た. netnewsでcomp.sources.XXをダウンロードしてコンパイルしていた人達はソースコードレベル. 今はもっとひろがっている.

Debian Projectは人を雇用しているわけではないが,有志があつまって distributionをつくっている. ゆるい集まりなので,忙しかったらやらないなどのこともあるのだけど. モデルが従来の伝統的なソフトウェア開発とは違う. upstreamはソースコードレベルの段階で開発をしている. Debianは第三者としてそのソースコードを取得し, バイナリのパッケージとする.ユーザへの橋渡しをする.

Debianは広域で開発している. アジアの開発者が全然居ないというのが懸念.日本は多少居る. どうにかしてアジアに展開したい.

ただ,Debian Developerは称号ではない. 権利というよりは苦痛... どちらかというと,Debian Developerであることを誇りにしてほしい. Debian Developerで世界を良くしている,という意識をもってほしい. すくなくとも世界を悪くはしていないでしょう.

official debian developerになる必要はない. ただ,パッケージのアップロードはofficial debian developerが必要. そうではない人たちでも参加できる. official debian developerでないからお断りではない. バグに対応するとか. あたりまえの教養として,「工学部出た人はみんなDebian Developer」くらいに普及しないかなぁ. 日本人が俳句をよめるのと同じくらい.

ロジスティックスとしては会が必要. 経済産業省の日本OSSフォーラムなどもある. だが,開発者としては,そこに参加するのではなく,Debian Developerになろう. Debian Developerになると,働いた結果が世の中の改善にダイレクトにつながる. FSIJとCELFは日本OSSフォーラムに入っていない. お役所仕事も重要だが,できるだけ開発者が集まる機会というのを 増やして行こう. コード道場とか,codefestとか,CELF Technical Jamboreeとか.

自分がかかわるソフトウェアというのをフリーなソフトウェアにしていきたい. オフィシャルなものとしては「オープンソース基盤整備」と 「未踏ソフトウェア」に関してはフリーソフトウェアにできている.

昔のコードは,OSをいじれないという制約があったり, できるだけ,本家に影響させないようにと配慮をしたりする必要から, そういうコードを書いた. 今はソースを全ていじれる. 昔の人は制約の中でのコードを書いてしまう点があった. 今なら最適な解法というのが使えるだろう. Debian Developerになると国際的な経験ができます. 古いUNIXにへばりついてしまっている人も多い. 例えば,MacOSXをみよう. UNIXをそういうものに使う物ではないという概念を崩壊させたのが凄い, おそらく今一番うれているUNIXでしょう.

日本はアジアの他の国にどんどんおいあげられつつある. 国際競争力をあげるためには, それを考えると,Debian Developerをするしかない. 自由なネットワークがある国はアジアには少なかった. CodeFestAsiaの会場からは台湾は見えなかった. 自由なソフトウェアは,自由な社会に先行するのかもしれない.

ところで,Debian Developerになるには,何が必要だということを まだ説明していなかった. 明日のopenpgpの話を聴くべし. かみきれを交換して,パスポートとか見せている. なんと怪しい.

New Maintainer になるのに1年8ヵ月くらいかかった. Debianの技術どっぷりになると,Debianしかわからない フリーソフトウェアハッカーになってしまう. 批判的に技術を見ることも必要. かわってゆく. フリーソフトウェアの作業は非同期, 彼がリリースするのを待つ,というのはよくない. やつがリリースしないからこっちでどんどん作業していこう, というのが正しいスタンスだ.

質問: 日本で漢字変換エンジンを開発しているが, 再実装をきらう傾向がある.それはどうだ. 回答: 再実装は歓迎.企業であれば,再実装は好ましくない場合があるが, フリーソフトウェアとしてはどんどんしたらよい. ただ,他人のコードをまったくみないでコードを再実装するというのは 意味が無い.

質問:(mhatta) Debian Projectでアプリケーションマネージャをしている. 我々としては何を改善できるか. 回答: Debian Developerは権限が凄い.全Debianユーザのコンピュータのroot権限を取得することになる. それを考えると,時間がかかるのもしかたないとはおもうがねぇ. mhattaさんとリアルで会える機会とかをつくっていって人をどんどん あつめていきたい.

Junichi Uekawa

$Id: dancer-diary.el,v 1.89 2005/05/12 11:19:14 dancer Exp $