日常的なarchの利用

概要

GNU Archは分散型レポジトリを基本としたバージョン管理システムである． すでに広く利用されているバージョン管理システムには，cvsなどがある． このページはGNU Archの実装であるtlaを実際に利用する場合のワークフローを紹介する．

編集作業のフロー

• tla replay でレポジトリの変更をワーキングコピーに反映
• 編集，テスト
• tla changes --diffs で変更点を確認
• tla commit -L 'xxx' で変更をコミット

リリース毎程度に，ときどき tla cacherevをして，リビジョンをキャッシュする． archは，base-0バージョンをtar.gz形式でもっており，それ以降の patch-Xバージョンのパッチを順次適用することで最新版を作成するため， tla get に壮絶に時間がかかることになる．

チェックアウト

• tla register-archive アーカイブのコード名 アーカイブの場所
• tla get -A アーカイブのコード名 カテゴリ名

すでに他のシステムでチェックアウトしている物の場合， アーカイブのコード名は，tla tree-versionでわかる． 対応するアーカイブの場所はtla archivesで確認できる．

レポジトリの新規作成

• まだアーカイブを作成していないのであれば， mkdir /path/to/arch/ tla make-archive アーカイブ名 /path/to/arch/archive(ディレクトリもしくはURL) でアーカイブを作成． tlaはディレクトリを作成してくれるが，その一段上のディレクトリまでは事前に作成しておく． アーカイブ名の命名の規則として メールアドレス--年度 を作者は推奨している．
• tla archive-setup -A アーカイブ名 カテゴリ--ブランチ--バージョン
• tla init-tree -A アーカイブ名 カテゴリ--ブランチ--バージョンでカレントディレクトリをarch対応にする
• tla my-default-archive XXXでデフォルトアーカイブを指定しておく
• tla add ファイル名
• tla import -L 'ログ'

ブランチ

• tla archive-setup カテゴリ--ブランチ--バージョンでcategoryを作成しておく．
• tla tag アーカイブ名/カテゴリ--ブランチ--バージョン(ブランチ元) カテゴリ--ブランチ--バージョン ローカルのレポジトリに複製ができる．
• tla get XXXXチェックアウトでき，そこでの作業は通常の編集作業． ブランチ元のレポジトリに反映するには，マージ作業が必要．

マージ

• tla tree-versionでマージ元のワーキングコピーの状況を確認
• マージ先のワーキングコピーで tla star-merge マージ元のバージョン
• コンフリクトが発生した場合には.rejファイルの対応
• tla changes --diffsで変更を確認．
• tla commitでマージ先の変更をコミットする．

xtla

commit

• C-x T =: 差分を表示する
• C-x T c: Changelogを編集する
• C-c C-c: commit

update

• C-x T u: tla updateを実行． (replayはできない？)

参考

• axp: 未調査: archのCUI フロントエンドらしい．
• larch: 未調査: tlaの前の実装だったような気がする
• archzoom: 未調査: archのwebインタフェース. Debian dpatchの頁例
• cscvs: 未調査: archとcvsをうまく扱うためのツールのよう
• tla-load-dirs: 未調査: upstreamをtlaにインポートするためのツール
• svn-arch-mirror: 未調査: subversion のレポジトリをarchに変換
• bazaar: 未調査: tlaと互換性があるような雰囲気．インタフェースはCVSに近くなっている
• bazaar-ng: 未調査: 互換性がおそらく無いと思われるツール
• GNU arch 2.0: 未調査： バックエンドがgitになってしまったツールらしい．
• xtla: emacs用フロントエンド

$Id: arch.html.ja,v 1.4 2005/10/08 16:27:04 dancer Exp $